始めたら書けるかなと思っていたら、一行目から詰まってしまいました。どうしましょう。書いていたら慣れるものなのでしょうか。
私のおばあちゃんの家には一匹の猫がいます。私より少し年下の、おばあちゃんな猫です。
今日もにゃーという声が聞こえたので、髪を梳いた櫛を置いて、猫のお皿と共に玄関へ。
ちょっとびびりな猫なので、誰か見てる人がいないとびくびくしながらご飯を食べるんです。
だから玄関に座りながら、ご飯を食べているところをぼーっと眺めています。
でも今日は近くの犬が吠えていたので、いつも以上に体を震わせながらご飯を食べていました。
「大丈夫だよー」と声を掛けたら、透き通った目で私のことをガン見してきて。
おおやるのかゴラ、的な感じかと思いきや、そろりとやってきて私にすりすりしてきました。か、かわいい。
しかし私には一つ問題がありました。それは、猫を撫でる方法を知らないということです。
こんなにも生き物が大好きで、幼い頃は毎日動物園に通っていたのにもかかわらず、私は犬猫などのペットを飼ったことがないのです。
これまで読みまくってきた幾多の生き物小説が、頭の中を駆け巡ります。
よし、ここは顎を撫でるんだ。
猫は顎を撫でると目を細めてゴロゴロいう……はず。
さっと手を出した私は、左の顎らへんをこしょこしょと触りました。
すると、本当に目を細めてゴロゴロいうではありませんか。
猫すごい、小説すごい。
そのあとは撫でまくり、猫は玄関と私の足との間を行ったり来たりしていました。
今の時期は夏への衣替えらしく、着替え損ねたパジャマに大量の猫毛が付いたんですけど、そこについた色とりどりの毛ですら愛おしかったのでオールオッケーです。